（Ｖｏｌ．６からの続き）
モノ（製品）も出来上がり、売り場（ネットショップ）も整いました。
後はネットショップに買いに来ていただくだけ。
ですが、誰も知らない製品が売れるはずがありません。
一般的には対象のユーザーに知ってもらうために広告を展開するのでしょうが、一回の雑誌広告に数十万円…。
開発費や商品代金の支払い。その他諸々の準備で、資金は飛ぶように消えていきます。
そんな中、広告原稿や広告掲載料にお金を使うなんて、とてもとても無理。
しかもサプリメントは薬機法により規制を受けるので、広告では伝えたいことをなかなか伝えられません。
でも、伝わらなければ製品は売れない…。
そこで、全国で開催されるスポーツイベントにブースを出店し、サンプリングを行うことを考えました。
友人知人・先輩後輩の伝手をたどって、イベントを企画している方を紹介していただき、ブースの出店を始めました。
最初に出店をＯＫしてくださったのは、前職の先輩が紹介してくれたテニスイベントを主催している方でした。
この時はまだ最終製品が納品される前で、試作品に確定したデザインラベルを貼ってサンプリングしました。
次にＯＫをくださったのが、アドベンチャーレースを主催しているエクストレモさん。
今でも協賛を通じて良いお付き合いをさせていただいているだけでなく、これまで何人ものアスリートとのご縁を頂きました。
ただ、イベントを主催している人なんてそれほど簡単に繋がれるわけではなく、出店の頻度は全然上がりません。
具体的に言うと、数ヶ月に１回の出店という感じ。
このままではいつまで経っても認知されない。
そこで思いついたのが、スポーツイベントのエントリーサイトから主催者の連絡先を入手し、アプローチする方法です。
「協賛したい＝物品なり金品なりを提供する」訳ですから、二つ返事でＯＫがもらえると思っていました。
ところが、これが大間違い。
電話口で言われるのは
「失礼ですが何の会社ですか？」
「過去にどんなイベントに協賛した実績がありますか？」
「ブース出店料は◯十万円ですが、大丈夫ですか？」
「口に入れるものなので、大手さん以外はちょっと…」
と、大苦戦の連続。何件も電話しても、なかなかＯＫをくれるところはありません。
そんな中、この方法で最初にＯＫをくださったのが、自転車イベントを運営するマトリックスさん。
忘れもしません。サイトで紹介されていたのは鈴鹿サーキットでのエンデューロレースでした。
まず電話で協賛したい旨をお伝えし、船橋にある事業所にご挨拶に伺う約束を頂きました。
「ダメ。ダメ。ダメ。」の連続の中、とにかく話を聞いてもらえるということがとても嬉しく、報われた気がしました。
そしてご挨拶当日、アスリチューンを持参してドキドキしながら伺った船橋の事業所。
対応してくださったのは、担当者の中川さんでした（実は大学の後輩であることは後から知りました）。
会社と製品の特長をご紹介し、認知を広げるために出店できるイベントを探していること、知名度も実績もないので難航していることなど、包み隠さずお話ししました。
結果、
・鈴鹿のイベントは、既に他の補給食メーカーが協賛についているため確認が必要。
・但し５月に成田で開催されるイベントならＯＫ
とお返事を頂くことができました。この時は中川さんが「仏」に見えました。
結局、鈴鹿のイベントも成田のイベントも出店OK。さらに岡山国際サーキットでのイベントも出店することができました。
テーブルは１台のみで「のぼり」もないので、かなりシンプルで殺風景な感じです。
初めての出店用のテントはホームセンターで廉価品（１万円未満）を購入するも、最初の出店で暴風で瞬殺。
フレームがあっさり折れました。残ったのは「テントのパーツだったゴミ」だけ。
この時に、風対策の重要性と「安物買いの銭失い」を体感。ということで、すぐに出店用のテントを購入しました。
天幕部にフレーム（梁）が入っているかどうかで頑丈さが段違いです。
節約のため天幕にロゴも入れず、ディスプレイもまだまだ未熟な感じですが、少しずつ現在のアスリチューンの「活動の方向性」が見えてきました。
ほとんど同じ時期、出店と同じくらい大事な「アスリチューンを知ってもらう『軸』」が動き始めていました。
Ｖｏｌ．８に続く…。
