ポケットエナジーの開発へ
持久力向上処方のエナゲイン(赤)と疲労回復処方のスピードキュア(青)からスタートしたアスリチューン。
「ゼリー状」のスポーツサプリメントは他社からも多く発売されていますが、アスリチューンユーザーからは、「独特のゼリー感が使いやすい」「運動時にストレスなく飲める」という感想を頂いています。
運動中の使用を目的としたエナゲインは「エネルギー補給」のための製品ではなく、あくまで「体内のエネルギーを持久力に変える」ことを目的としているので、別の手段でエネルギー補給を考える必要があります。
それまでは「他社のエナジーゼリーとの相性も良い」としてきましたが、実はエナゲイン・スピードキュアのような使用感でエナジーゼリーを製品化できないのか?というご要望も頂いていました。
大手メーカーからも、多数発売されているエナジーゼリー(ジェル)。後発の当社が、同じ使用目的を持った製品を発売する意味はあるのか?いろいろ考え、またたくさんのユーザーさんにヒアリングしてみました。他社のエナジーゼリーを使っている方からの声で、最も多かったのが「べったり・こってりした使用感は使いにくい。でも仕方ないから使っている」 というもの。また「ゼリーというよりペースト状なので、運動時に飲み込むだけでもストレスを感じる」という感想もありました。
「仕方ないから使う」のではなく、「運動を楽しむためのマストアイテム」として使ってもらえるエネルギー補給用の製品…。
これを具現化するために、2013年末から「アスリチューン エナジーゼリープロジェクト」をスタートしました。
隼がエナジーゼリーを創ると、こうなる
まず最初に決めたのは、「使う方のストレスを出来るだけ少なくしたエナジーゼリー」という製品コンセプト。
肉体に負担のかかる運動中に使用する製品なので、使うことにストレスを感じるような製品ではダメ。また、いくら「薄型で軽く、持ち運びやすいパッケージ」でも、補給できるエネルギー量が少なければ意味が無い。
①現行のアスリチューン(赤・青)と同じパッケージで、100kcal以上のエネルギー量を確保できること。
②大多数の人が「美味しい」と感じる使用感の実現
③ペーストではなく、運動中でも飲み込みやすい「ゼリー感」のある食感
「ただエネルギーを補給することだけ」ではなく、使用シーンを念頭に置いた商品企画の甲斐もあって、試作品を使ったアスリートに使用感をヒアリングしたところ、大変高い評価を頂けました。
創った本人が「良い商品が出来上がった」と思っていても、実際に使う方からの評価が明確になるまでは不安でいっぱいでしたが、「これまで使った、どのエナジーゼリーよりも使いやすい」、「一日も早く製品化してほしい」という声を聴くことができて、本当に勇気付けられました。
ともあれ、試作品を活用したモニタリングは大成功。
この時点では、もう何の問題もなく本生産に移行できると思っていました。
使用時のストレスを出来るだけ軽減した製品特長を目標に、課題として掲げた「3つの難関」をクリアできる処方を決めた時点で、「いつでも製品化できるな」と踏んだのが甘かった…。
過去にはない問題に直面しました。パッケージデザインです。
ようやく決まった方向性。解決策はやはり現場に
それでも日々の活動は続く訳で、デザインの悩みを抱えながらも、イベントの出店をはじめ日々の業務を進める毎日。
しかも試作品納品以降、隼ネットショップでは「アスリチューン2箱以上のお申込みでエナジーゼリーの試作品プレゼント」という企画を実施していたので、使った方からのご感想も日々集まってきます。
「凄く良いと思いますよ!いつ発売ですか?」という嬉しいお声を頂きながらも、デザイン問題を解決できず、時間ばかり過ぎて行きます。
ただエナゲインとスピードキュアは、特長が明確な(=説明が必要)製品である反面、ただ並べているだけでは販売に繋がりません。
「説明なしでパッケージだけで商品特長が伝わる商品だったら良いのに」なんて、都合の良いことを考えていました。
伝わる製品。しかも一度使ったら、その使用感と効果感で、「続けて使いたい」と思って頂ける製品。
・・・それってもしかして、今進めてる「エナジーゼリー」なら可能なのでは?。
エナジーゼリーは、競合製品が多い分、カテゴリーとしては一般的なので、パッケージにカロリー表示さえあれば説明は特に必要ない。
使っているパッケージは、運動時にも邪魔にならない薄型パッケージ。
しかも出来るだけストレスの無い使用感を考えて、スポーツ時の飲み込みやすさと味にこだわった結果、多くの方から「美味しい」、「使いやすい」という感想を頂いている。
一度使えば、続けて使って頂ける可能性も高い。
この製品を入り口に、アスリチューンというブランドを知って頂く(「同じ形の『赤と青』は何?」と、既存2品にも興味を持って頂く)こともアリなのでは?
結局、「既存品2品とは全く別の考え方で、メインカラーを考えた方が面白そうだ」ってことで、「新たに登場する、特別なATHLETUNEというイメージを表現する」という方向が明確になりました。
「新しいATHLETUNE」を表現するパッケージデザインは?
運動前や運動中に使用するエナゲインは、「やる気」や「燃焼」をイメージさせる赤、運動後に使用するスピードキュアは、クールダウンをイメージさせる青。
既存製品のエナゲインとスピードキュアの発売の際、パッケージに使用するメインカラーには迷いませんでした。
さて今回はエナジーゼリー。使用する主なタイミングとしては、エナゲインと同じ、運動前や運動中です。「やる気」・「燃焼」の赤は使っています。
では同じような機能をイメージさせる色は?黄色?オレンジ?それだと、3製品が並ぶと信号みたいです…。
パッケージのメインカラーの検討で明確になったのは以下の点です。
①「エネルギー補給」というシーンに相応しい、インパクト・勢いのある色
②他社に無い、アスリチューンブランドのエナジーゼリーとしてのオリジナリティを表現できる色
③既存の2品と並んでも違和感のない、それでいて安っぽくない色せっかく納得のいく「中身」が出来ても、パッケージが決まらなければ製品化できません。かと言って、「何でもいいから適当に」という訳にも行きません。製品にとってパッケージは大変重要で、それ次第で中身も含めた「商品力自体」が左右されます。
発売する以上は、「良いデザインだね!」、「カッコいいね!」 と言って頂けるデザインにしたい。
そんな感じのパッケージ。美的感覚・デザインセンスの乏しい人間としては、 出口の見えない苦悩の日々に迷い込んでしまいました。
「特別な」を表現するメインカラー、決定!
今回、「より多くの方にATHLETUNEというブランドと開発理念を知って頂く」という使命を持って投入されるエナジーゼリー。
製品特長から連想される色ではなく、「特別感」をイメージさせる色をメインカラーにすることにしました。
特別感と言えば、金?プラチナ?
これらの色は、他社のエナジーゼリーでも使っています。
選んだ色は、ずばり「ブラック」。
その上に、ショッキングピンクでロゴを配置しています。
色だけでなくモチーフも含めて、これまでの2品のパッケージとは違う印象に仕上げることができました。
2014年9月「ATHLETUNE POCKET ENERGY(ポケットエナジー)」発売!
①1包で105kcalを補給可能。
②ペーストではなく、ゼリー感のある食感。
③飽きを感じ辛いグレープフレーバー
④マグネシウムを25mg配合
さらに、④として、マグネシウムを25mg配合しました。なぜマグネシウム?
持久系スポーツで、ゴールまで高いパフォーマンスを保つためには、マグネシウムというミネラルは重要な役割を担っています。「運動中に失われがちなミネラルを補うタブレット」も他社から発売されていますが、ポケットエナジーには「ストレスの無い使い心地」と共に、「エネルギーの補給と同時にマグネシウムも補給できるという」便利さをプラスしました。
既に他社の大手企業が大きなシェアを持っている市場に新製品を投入するのですから「他にはない特長(優位性)」を持たせるために色々と工夫しました。運動中でも飲みやすい剤質(ゼリー感)やおなかに負担をかけない程度のマグネシウムの配合そして もう一つ大きな特長が「中鎖脂肪酸」という油を配合したことです。
この中鎖脂肪酸は
①消化吸収⇒エネルギーに変わるのが早い
②身体に蓄積されている脂肪をエネルギーとして利用しやすくする
③疲労をためにくくし 持久力を高める
などの報告があるスポーツの場面には非常に適した油です。ポケットエナジー1本のエネルギー量は105kcal。
この数値だけを他社のエナジージェルと比較すると 見劣りするかも知れません。
でも実は 「105kcalという数字の割には しっかり持ってくれる気がする」というユーザーの声が多いです。
もちろん ゼリー感を持たせたことも この感想につながるポイントだと思いますが、中鎖脂肪酸という油の特性を利用したのも ポケットエナジーの長所につながっていると思います。
・運動時に身に付けても邪魔にならない 出来るだけ小さいパッケージ
・1パッケージで可能な限りたくさんのエネルギーを補給できる
・口の中が乾きがちな状況の中でもストレスなく飲みこめる「ゼリー感」にこだわる
・出来るだけ多くの方が「美味しい」と感じる味
こんな製品を創りたいと思いました。エナジージェル・エナジーゼリーの主成分は吸収が早くエネルギーとして利用しやすい「糖質」です。世の中のほぼすべてのエネルギー補給用の製品が甘いのはこのためです。パッケージ当たりのエネルギー量を上げるためには 出来るだけ「水飴っぽく」すればある程度は可能です。
でも「べったり」「こってり」していて 運動時の使用にはストレスを感じるのはダメです。小さいパッケージでカロリーを上げる。しかも使用感も妥協しない。
辿り着いた答えは 「糖質以外のエネルギー成分を入れる」ことでした。糖質のエネルギー量は約4kcal/g その倍以上の約9kcalのエネルギー量を持っているのが脂質です。単純に考えれば「脂質を使えば!」となりますが 一般的な脂質は消化吸収の際に 内臓に大きな負担をかけますので、運動で身体全体に負荷がかかっている状態でさらに内臓に負担がかかれば、パフォーマンスの低下は目に見えています。普通の脂質はスポーツサプリには向いてない。そこで目を付けたのが「中鎖脂肪酸」という脂質です。中鎖脂肪酸は 消化吸収の際に他の脂質のように身体に負担をかけず
消化吸収⇒体内でのエネルギー変換も早いという特長があります。
また「身体に蓄積されている体脂肪をエネルギーとして利用しやすくする」
「疲労を溜めにくくし 持久力を高める」という報告もあります。つまり 中鎖脂肪酸は「普通の脂質よりはスポーツに向いている」のではなく
スポーツに最適な成分といえるかもしれません。但し こんな中鎖脂肪酸も脂質は脂質なので、たくさん摂ると 「ヌルヌルギトギト」とストレスになりますので、ポケットエナジーでは スポーツ時に使用してもストレスを感じないレベルに抑えました。
(実際に 表示を読まずなければ ポケットエナジーに脂質が入っているのに気付いた方は いないかもしれません。)「補給用のスポーツジェルに脂質を使うのはあり得ない」と決めつけるのではなく「スポーツ時にも使える特長を持った脂質は無いのか?」を探した結果、パッケージ当たりのエネルギー量をある程度確保して しかもパフォーマンスの向上も期待できる製品になりました。
Ⅰ:赤と青の誕生 続きを読む>Ⅲポケットエナジーオレンジ味の発売