(Vol.5からの続き)
処方が決まったらブランドネームと製品名。これも難しい問題です。
理想は製品特長が一目で分かるような名前ですが、そんな都合が良い名前がすぐに見つかるわけがありません。
まずはブランド名。
・アルファベットでも読みやすい名前
・勢い・前向きさを感じる名前
使うシーンや機能を表す単語を調べ、時にはこの単語そのまま、またはこれらを組み合わせて数十種類の候補を作りました。
今だから明かしますが、最終的に「ATHLETUNE」に決まる前に候補として残っていたシリーズ名は他に2つありました。
「MAX SPORTS」と「ZONE」です。
今となっては「ATHLETUNE」以外に候補があったことが遠い昔に感じますが、センスの有無は別として、当時は真剣でした。
次に製品名。持久力向上処方の製品のネーミング案は ①PRECHARGE、②ENERGAIN、③BOOSTER。
疲労回復処方の製品は ①AFTERCHARGE、②SPEEDCURE ③COOLDOWN。
今、改めて見返すと酷いセンスですが、当時は「とにかく分かりやすい名前であること」にこだわって、
難しく小洒落た名前よりも、使うタイミングや特長が一目で分かるような、そんな名前を求めていました。
ブランド名も製品名も、結果的に良い名前が付けられてよかったです。
名前が決まれば商標登録。
もしいつか大ブレイクした時に、ブランドを乗っ取られるなんてことになったら大変です。
もちろん、申請した経験なんてありませんし、どこに申請するのかも知りません。
一から調べて書類を作り、郵送で特許庁とやり取りをして登録料を支払い、晴れて「ATHLETUNE(アスリチューン)」、「ENERGAIN(エナゲイン)」、「SPEEDCURE(スピードキュア)」の商標を登録することができました。
物事を決めるスピードは、サラリーマン時代に比較して圧倒的に早い(自分だけで決めるわけですから)のに対し、
全ての、そして経験のない業務を一人でこなすことで「組織のありがたさ」を感じたのも事実です。
「全て」を自分でやることで、たくさんの無駄と力(資金)を入れるべきポイント、その両方が少しずつ見えてきました。
そして、製品のイメージを決める「パッケージデザインはお金をかけるポイント」と判断し、
デザイナーさんにお願いすることに決めました。
パッケージデザインが決まる前に、試作品が納品されました。中身はもう販売用の製品と全く同じ。
後は、一人でも多くの方に使っていただいて感想(体感)を集める。
友人・知人の伝手をたどり、協力してくれる方にサンプルを送りました。
デザインは自作。ラベルは自宅のプリンターで印刷し、裏面には成分表示を入れて貼りました。
このブログを書くにあたって、ネーミングを検討していた時の資料やパッケージデザイン案を見直しました。
振り返れば、製品を世に出すまでに越えてきた壁は高くて多かったと思います。
ただ、自分の自分の製品が世に出るという高揚感、またメーカーさんのお力添えの中で、勢いで突破してきた感じです。
処方もネーミングも別の候補のものを採用していたら、
言うまでもなく今のアスリチューンとは全く別の製品になっていました。
Vol.7に続く…。